
みなさんこんにちは!1173lifeです!
2026年の夏、「海水浴場が消えていく」というニュースを見かけた方も多いのではないでしょうか。読売新聞の報道によると、全国の海水浴場は2016年の1,111か所から2025年には966か所へと、10年間で13%減少しています。今年の夏も、大阪府の淡輪・箱作、茨城の大竹海岸(通称「茨城のゴールドコースト」)など、海開き自体を見送るビーチが相次いで話題になりました。
正直、このニュースを「海水浴客が減っているだけの話」と読んでしまうと、サーファーには関係のないニュースに見えてしまいます。でも1173lifeがこの一連の報道を見ていて気になったのは、海水浴場が消える理由の中に、実は私たちサーファーにも無関係ではない変化が含まれているということです。今回はこのニュースを、サーファー目線で少し掘り下げて解説してみたいと思います。
特に3つ目の「砂浜の減少」の話は、海水浴場のニュースというより、海岸線そのものの地形の話です。サーフィンをする方にとって、実は見過ごせないポイントだと思っています。順番に見ていきましょう。
全国の海水浴場は10年で13%減っている

結論から言うと、全国の海水浴場は2016年の1,111か所から2025年には966か所まで減少しており、この数は今後も減っていく可能性が高いと見られています。特に2026年の夏は、大阪府の淡輪海水浴場・箱作海水浴場、茨城県鉾田市の大竹海岸で、開設そのものが見送られました。
数字を見るとその落ち込み方がよくわかります。淡輪海水浴場は2016年に10万1,000人だった利用者数が、2025年には3万3,000人まで落ち込みました。箱作海水浴場に至っては、ピークだった1990年の20万3,000人から、現在はその10分の1程度まで減っているそうです。これだけ利用者が減ると、施設を維持するコストに見合わなくなり、開設自体を見送る判断になるのも無理はないですよね。
なぜ海水浴場は閉鎖に追い込まれるのか

結論としては、人手不足・物価高・猛暑という3つの要因が同時に重なっていることが、海水浴場の閉鎖を後押ししています。1つだけなら乗り越えられても、3つ同時に来ると運営側の負担が一気に膨らんでしまう、というのが実情のようです。
- 人手不足:ライフガード(監視員)や駐車場管理のスタッフを確保できない
- 物価高:脱衣所などの設置・撤去費用や人件費が上昇している
- 猛暑:前年の6〜8月の平均気温は平年より2.36度も高く、統計開始以降で最高を記録
東京海洋大学の中原尚知教授は、この状況について「地域の海の価値を提示すること」や「通年で活用する工夫」が重要だとコメントしています。海水浴という夏の数週間だけの利用方法から、通年で人が訪れる仕組みへ変えていく必要がある、という指摘は、サーフィンという通年スポーツを楽しむ側から見ても納得感があります。
サーファー目線で見逃せない「砂浜が減る」もう一つの意味
結論から言うと、砂浜が減っている原因の一部は、砂浜だけでなく海底の地形そのものを変化させる要因であり、これはサーフブレイクを生み出すサンドバー(海底に砂がたまってできる地形)の形にも関わってくる話です。
茨城県鉾田市の大竹海岸(通称「茨城のゴールドコースト」)が今夏の海開きを断念した理由は、単純な「砂が減った」ではなく、もう少し複雑な仕組みで説明されています。県の担当課によると、この一帯の海岸侵食は、上流のダム整備や流域の宅地開発、河川の護岸工事によって、本来川から海へ流れ込むはずの砂の量が減ってしまったこと、さらに大規模な港湾施設が沿岸を移動する砂(漂砂)の流れを遮ってしまい、砂が自然に堆積する仕組み自体が崩れてしまったことが主な原因だとされています。
波が割れる場所って、海底の砂のたまり方でだいぶ変わるよね。海岸侵食のニュースを「観光施設が減る話」で終わらせずに、「自分がいつも入っている海の地形も、長い目で見たら変わっていくかもしれない」くらいの感覚で見ておくと、ニュースの見え方が変わってくると思う!
もちろん、鉾田の事例がそのまま全国のサーフスポットに当てはまるわけではありません。海岸ごとに侵食の進み方や原因は異なりますし、逆に砂が堆積して波質が良くなるエリアもあります。ただ、「海水浴場が減っている」というニュースの裏側に、こうした海岸線全体の地形変化が関係しているケースがあるという点は、知っておいて損はないと思います。
ちなみに、全国のビーチがすべて閉鎖に向かっているわけではありません。青森県八戸市の蕪島海水浴場は7月25日にオープン予定ですし、北海道遠別町の「みなくるびーち」は開設25周年を記念したイベントを行うなど、地域によっては変わらず開設・盛り上げが続いているビーチもあります。「減っている」という全国的な傾向と、「個別のビーチの状況」は分けて見る必要があります。
監視員のいるビーチが減ることは、サーファーにとっても他人事じゃない
結論として、海水浴場の閉鎖でライフガード(監視員)が常駐するビーチ自体が減っていくと、サーファーが泳いでいる人の異変に気づく最初の目撃者になる場面も、これまで以上に増えていく可能性があります。
以前、離岸流はサーファーの武器にもなる?2026年海の日に相次いだ水難事故から学ぶ海の安全知識という記事で、離岸流の見分け方や、流された人を見かけたときの対応(STOP-THINK-ACTionの考え方や118番通報など)を解説しました。監視員のいないビーチが増えるということは、この記事で紹介したような知識を持っている人が現場にいるかどうかが、より重要になってくるということでもあります。
生徒さんにサーフィンを教えるときにも、「サーファーは自分の安全だけでなく、周りで泳いでいる人の異変にも気づきやすい立場にいる」という話をすることがあります。板があるぶん浮力があり、パドリングで人に近づくスピードも出せるので、いざというときにできることは意外と多いんです。
監視員がいるビーチと、いないビーチとでは、私たちが意識すべきポイントも変わってきます。簡単に整理すると、以下のようなイメージです。
| 項目 | 監視員のいるビーチ | 監視員のいないビーチ |
|---|---|---|
| 危険察知 | ライフガードが常時監視 | 周囲にいる人同士での声かけが頼り |
| 離岸流の情報 | 看板や監視員からの案内がある場合が多い | 自分で海況を読む知識が必須 |
| 救助要請 | その場で監視員に伝えられる | 118番(海上保安庁)へ自分で通報する必要がある |
| 初心者さんへのおすすめ度 | 比較的安心して練習しやすい | ある程度経験を積んでからの利用が無難 |
海水浴場が減ったエリアで安全に楽しむために気をつけたいこと
結論としては、監視員がいない・海水浴場としての管理がされていないビーチでは、「誰かが見ていてくれる」という前提を捨てて、自分たちで安全を確保する意識が今まで以上に大切になります。
- 入る前に、その日の海況(うねり・風・潮位)を必ず自分で確認する
- 初心者さんは、できるだけ人がいる時間帯・エリアを選ぶ
- リーシュコードなど基本の安全装備は必ず着用する
- 離岸流の見分け方・遭遇時の対処法は事前に頭に入れておく
海水浴場じゃないポイントでサーフィンするのは元々問題ないの?
多くのサーフスポットはもともと海水浴場の区域外、または海水浴場が閉鎖されている時期に利用されています。ただし、地域によっては遊泳者とサーファーのエリアを分けるローカルルールが存在する場合があるので、初めて入るエリアでは周囲のサーファーさんの様子を見ながら、そのビーチのルールに合わせることが大切です。
海岸侵食が進んでいるかどうかは、どうやって知ればいいの?
個別のポイントの詳しい侵食状況までは、地元の自治体や海岸管理者(県の河川課など)の発表を追うしかないのが正直なところです。ただ、長年同じエリアに通っていると「以前より駐車場から波打ち際までの距離が伸びた(=砂浜が広がった)」「逆に波打ち際が近くなった(=浸食が進んでいる)」といった変化に気づくことはあります。日々の記録として、ライブカメラの映像を定点観測代わりに使うのも一つの方法です。
海況の確認には、ライブカメラで実際の波の様子を見ておくのがおすすめです。茨城エリアは今回話題になった大竹海岸を含むエリアなので、実際の様子が気になる方はチェックしてみてください。
茨城エリアの現在の波の様子を見てみる
千葉エリアで海に入る機会が多い方は、厳選8箇所【千葉内房エリアのおすすめサーフスポット】もあわせて参考にしてみてください。海水浴場が併設されているポイントも多いエリアなので、今回のようなニュースがあると駐車場やトイレなどの利用環境が変わる可能性もあります。
ちなみに、海水浴場とサーファーの共存という意味では、海水浴場でサーフィン大会が実現?鵠沼の日本初の試みとサーファーが知っておきたいマナーという記事で、海水浴場の運営期間中にサーフィン大会を開催する試みについても触れています。海水浴場の在り方自体が見直されている今、こうした共存の形が増えていくのかもしれません。
費用や安全に関わる情報は、あくまで一般的な目安としてお伝えしています。最終的な判断はご自身の状況や経験レベルに合わせて行い、正確な海況情報は現地の看板や気象庁・自治体の公式情報も必ずあわせてご確認ください。